Ume’s Short Stories:6
あるスーパーでの出来事
小夜子にとって、彼女のことを気に入った野口俊彦は、あの雨降りの日曜になるまでは他のほとんどのことと同様、どうでもよい存在だった。
小夜子は一年ほど前から、都心から電車で四十分ほどの住宅地の、最近店舗を増やしつつあるスーパーにパートタイムとして勤務していた。店長の佐野によれば、面接のときの彼女の印象は、真面目そうな子、ということだった。彼女の年齢が二十三であるということの他に、どの女の子とも決定的に違う何かを備えているということがわかったが、それが何であるかがさっぱりわからなかったので、給料、時間などのありきたりの事項以外についても聞いてみたい衝動に駆られはしたものの、何しろこのところ新たな開拓地を求めて様々なスーパーが進出してきている激戦区に参入したばかりのこの時期、一人でも多くの確かなレジ係−どんなに品揃えが良くても、不慣れなレジ係ばかりでは客がすぐに離れてしまう−を一刻も早く揃えたかったので、彼は彼女なら即戦力として十分使ってゆけるだろうという直感のままに、特に込み入った話をすることも無く翌日から働きに来てもらうことにしたのだった。
実際、小夜子はよく働いてくれた。その熱心さと正確さはたびたび視察に訪れる本部の人間の目にもとまるほどだった。そして職場の同僚たちにとっても、小夜子の働きぶりには感服するところがあった。何しろ休憩時間らしい時間もとらずに、しかも噂によればほとんど昼食さえもとらずに働いていたのだから。佐野にとっては、小夜子ほど貴重な人材は手放したくはなかったので、他の従業員よりもいくらか目立って多い彼女の欠勤については、それが毎回当日の朝突然の連絡によってであっても、そしてそれが明らかに連絡通りの病気かどうか疑わしい−前日の夕方まではぴんぴんしていたわけだから−ということもわかっていながら、本来あってはいけないことだが例外として大目に見ることにしていた。
たまたま小夜子とほぼ同じ勤務時間となった社員の野口俊彦は、何らまわりを気にすることなく、あれこれと彼女に話しかけ始めた。しかし彼は、どの女子従業員に対してもそういう態度をとっていたために、特に彼が小夜子を狙っている、などといった噂の一つもたつことは無かった。小夜子は、それが仕事上の話題であろうがそうでなかろうが必要最小限の返事しかしなかったし、彼の方にしても会話を強要する様子は見られなかった。実際のところは、彼自身も最初は気づいてはいなかったのだが、小夜子とだけ話してみたいという思いはあった。他の男子従業員も確かに小夜子の魅力にひかれてはいたものの、特にどうこうしようという考えは無く、ただ普通の男の反応として、かわいい女の子、と意識していただけだった。それに対して小夜子は、同性にさえも必要以上のことは話さなかった。だからといって彼女が暗い、などと噂されるほどでは決して無く、それは出来るだけ「目立たない」ように計算された振る舞いの結果だった。
結婚して一年半になる野口にとって、小夜子のあの独特の、人間離れしていて、それでいて美しいと言わずにはおれない雰囲気は、確かにひっかかるところがありはしたが、彼の心の中では、俺には妻がいるのだ、という思いを無理やりに強めて、余計な感情の入る余地を少しでも狭めようと努力していた。
しかしいくら努力しても、毎日職場で顔を合わせるとなると、小夜子のことを意識しないでいられるはずはなかった。仕事に忙殺されているあいだは大抵のことは頭の片隅に追いやられてしまうものだが、スーパーという閉鎖された空間で、その魅力のために振り向いてしまうといったことを抜きにしても、彼女の顔を十五分以上見ずに仕事をこなしてゆくということは不可能に近かった。
そういうわけで野口は、世間一般の言うところの、雑誌の表紙や化粧品の宣伝などに使われるような「美人」とはかなり異なる、独特の雰囲気をもつ小夜子の存在を気にしつつ、毎日の業務−商品の発注、品出し、苦情の対応などなど−に追われていた。結果的には、そのまま悶々としながらでも何も行動を起こさない方が彼にとっては幸運だったのだが。
彼の小夜子への態度は次第に露骨になっていった。仕事帰りの食事や、休日のデートの誘いなどだった。しかしいずれの誘いにも小夜子はのってこなかった。彼女にとってみれば、自分の役に立たない野口と同じ時間を過ごすことほど無意味なことは無かった。彼女は日がたつにつれて増えてくる彼の誘いに対して、必ず無理無く断り続けた。それはあたかもちょっとしたことですぐに次々に騒ぎ出す幼児たちを、何事も無く、ほんの小さな言葉の一つか二つでおとなしくさせる優秀な先生のようだった。ただ、小夜子は幼稚園や学校の先生では決してなかった。
考えてみれば彼が小夜子にひかれたのは当然のことだったのかもしれない。彼は、若くて長い黒髪の美しい妻がいるのにもかかわらず仕事先の小夜子に心を奪われてしまった。彼自身そのことについて、強引な正当化を行っていた。それは妻との生活に少しの実感、夫婦としての充実感が得られないというものだった。もちろん、夫婦としての暮らしは他の夫婦と同様にしていたが、彼にとってはそれが、当たりまえ過ぎる生活なのだった。出会い、恋愛、結婚、そして今までの生活それら全てにおいて一握りの実感も得られないと彼は何とは無しに思うようになっていた。つきあい始めたころの、彼が彼女にのぼせ上がっていたときの感情そのものを、今では全くといっていいほど思い出すことが出来なかった。とにかく、彼は妻との生活において何かが欠けているように思っていることは友人にも、もちろん妻にも言ったことは無かった。しかし頭のどこかでいつも、自分或いは自分と妻には何が足りないのか、何が他の、良い悪いといったことを抜きにして、生活感溢れる夫婦たちと違うのだろうかと考えていた。そんな、彼には思いつくはずの無い難問を忘れさせてくれたのが小夜子の存在だった。結果的に、妻にはもう魅力が無くなったのだという理由で、彼は小夜子の気をひこうとする自分を納得させた。
妻との生活に実感が無い、という彼の考えは正しかった。しかしもし、彼がその当時の、彼女に魅了された感情を呼び覚ますことができたら彼はどう解釈するだろう。妻自身によって消されてしまっている妻の魅力と、今彼が虜となっている小夜子の魅力がほぼ同じ種類のものだということがわかったとしたら。そしてだからこそ皮肉なことに、万が一彼が小夜子と結婚していたとしても、結局は今と少しも変わらない、実感の無い生活をしていたであろうことはほぼ間違いが無いのだった。
そんなことには気づかない彼に、ある日突然チャンスが訪れた。もっとも実際には彼にとってではなかったが。
その日は朝から灰色の雲がどんよりと空に低く居座り、大粒の雨をぼたぼたとひっきりなしに降らせていた。彼は久しぶりの非番である日曜日を、大学時代の友人を訪れるために車を走り出させたところだった。友人というのは、二、三日前に特にこれといった用も無く電話をしてみた相手だった。いつもの残業の後、スーパーから帰った夜、仕事に出ている妻がまだ戻っていないので、ただ退屈だからという理由だけで電話をしてみたら、意気投合して日曜に家に誘われた、というだけのことだった。その夜遅く帰った妻が日曜も出勤だというので、彼にとっては都合が良かった。休日を二人でのんびり過ごしたとしても、やはり充実感は得られないはずだと思っていた。そう思うと、恋愛の真っ最中には、自分はこれほど冷めていなかったはずなのに、彼女に夢中であったまさにそのときの感情を忘れてしまっている今の状態が、子供の頃にもの凄く大事にしていて、それこそ片時も自分のそばから離れるとわんわん泣いたほどのオモチャが、何年か後になってみるとどうでもいいものになってしまっているのと同じように思えて、空しい感覚に襲われたし、妻に対しても、口では言わないにしても、すまないという気持ちは絶えずあった。しかしそれは彼がいくら自分を責めていたところでどうしようもないことだった。彼が感じていた、妻の魅力に対する絶大なる充足感を妻が消してしまったのは、彼のその充足感があまりにも強いためで、彼が何かと妻を自慢する機会を作りたがったためだった。彼女にとっては、夫にあちこちただ人に会うために連れ回されたり、それほど親交の深くない人を家に呼んだりして相手をするのは非能率的であるだけであり、別にそうまでして自分をほめてくれる夫に対して申し訳ないと考えたわけではなかった。要するに彼女が最も注意をはらっていたのは、単なる妻のままでいたい、「目立ちたくない」ということだけだった。
彼は日ごろの、妻や小夜子に対する思いを頭の中で鈍い音をたてて転がしながら、少々ぎこちない動きのワイパーで降りしきる雨をよけながら商店街を走っていった。と、車が彼の仕事場であるスーパーの、三つ信号分だけ手前にさしかかったとき、彼は歩道に小夜子の後ろ姿を見た。
彼は慌てて、といっても後ろの車がいないのを確かめてから、歩き続ける彼女のほんの少し先で車を左に寄せ、歩道側の窓を開けて呼びかけた。「サヨちゃん、おはよう。濡れちゃうから、店まで送っていくよ」彼はそう言い終わらないうちに助手席のドアを開けた。そして彼女がいつもの通り、全く無駄の無い動作で、傘をたたむことと助手席に滑り込むことを、ほとんど雨に濡れることなくやり終えるのを見て彼は、たった一、二分のドライブとはいえ、ここしばらくの間では最高に運の良い出来事だと内心嬉しく思った。彼女は、「おはようございます」と「すみません」という二つの言葉をさりげなく発しただけで、その表情には、感情があまり入ってはいないように見受けられた。しかし、その表情こそが、彼が魅了され続けてきたものなのだ。車が動き出し、彼が何を話そうかと戸惑っているあいだ、彼女はきょとんとして前方を眺めているだけだったが、やがて床に落ちていた一本の長めの髪の毛を拾い上げていた。そのときに見えた白い手首から指先は異常なほどに細いにもかかわらず、何故かか弱くは見えなかった。彼は、車の振動に何の影響も受けずに、顔の前に垂らした妻の髪の毛を凝視している小夜子がいつになく不気味に思えたのと同時に、これと同じ表情をかつて見たことがあることに気づいた。彼はすぐに思い出した。いつだったか、妻と都心に出掛けたとき、見晴しのいいレストランの窓際の席で食事をしていたときのことだ。あのときの、妻が何秒間か手をぴたりと止め、家族連れ、カップルその他様々な種類の人間で溢れた歩行者天国をじっと見ていたときの表情だ。まるで何者かの動きを見張っているかのように。しかし、今彼は、そのことを単なる自分の考え過ぎだと納得させ、次に、どうすれば妻以外の話題を切り出せるかを考えていた。彼は、小夜子がその一本の髪の毛によって、本来彼に抱いていた興味を失ってしまうのではないかということを心配していた。そんな彼の心配をよそに、小夜子の頭の中で一瞬にして呼び出されていたのは、彼の住所、彼の妻貴子の住所であった。
「今日はお出掛けですか」小夜子にそう聞かれた彼は「う、うん。ちょっと昔の友達のところに遊びにね」と、もう店の前まで来てしまった、もうこれ以上二人でいることは出来ないのか、もっと喋っておけば、という後悔の気持ちでいっぱいのまま、さも何事も無かったかのように平然と答えた。彼は、もう小夜子との会話が終わってしまったと思いつつ車の速度を落とし始めたが、彼女はさらに「午前中に出るくらいだから、そこは遠いのでしょうね」と明らかに質問の口調で言った。彼は幾分緊張しながら、スーパーの従業員用の出入口の前に車をもっていき、聞かれた事柄以上のことを答え始めた。「ええと、確かここから二時間くらいのところかな」彼は小夜子と会話が出来るということだけで有頂天になっていた。
「昼ごろ着いて、昔話でもして、そうそう、途中からもう一人呼ぶとか言ってたから、結局飲んじゃって帰りは遅くなるだろうな」小夜子は彼の話の内容を考慮してから、車を降りる間際に、その小さい顔に微笑みと妙な説得力を込めてこう言った。
「野口さん、お酒飲むのだったら、帰りは十分休んでから、濃いコーヒーでも飲んでからにして下さいね。危ないから」
彼は今までに、彼女からそこまで個人的に心配してくれたことは無く、それが恐らく職場では彼以外にはまだいないだろうという優越感を覚えた。
「失礼します」という控えめな言葉を最後に、小夜子は乗ったときと同じように無駄の無い動作で車を降り、今日は夕方早めに早退することを決心しながら従業員用の出入口に向かって歩き出した。
再び車を動かした彼の頭には、時間にしてほんの数分ではあったが、二人だけの時間を共有出来たのだし、機会さえあればこれからも継続出来るのでは、という楽観的な考えがあったがそれとは別に、直接口で言われたわけではないのに何故か小夜子の声で「友人たちとの話に花が咲き帰宅は深夜になる・帰りはゆっくり休んで・コーヒーを飲んでから」という言葉が、彼の気づかぬあいだに繰り返されていた。
昼過ぎ、依然として降り止まない雨の中、彼は友人の住む住宅地から自宅へと引き返す道を納得のいかない表情で進んでいた。彼がしぶしぶハンドルを握っていたのには二つの理由があった。一つは、友人が急用で出掛けてしまい、久しぶりの旧友たちとの語らいは延期となってしまったことだった。彼の家のドアにメモが張り付けてあり、突発的な作業が発生し、会社から呼び出しがかかってしまったので、いつ戻れるかはわからないとのことだった。二つ目の理由は、友人の家でゆっくりすることが出来ずに、早いうちに帰宅してしまう、というだけのことに何故か強い不満を感じてしまう自分の意識の不確かさだった。しかし友人が仕事に出てしまった以上、特に行くあても無いので彼は、たまには自分でじっくり夕食の用意でもしてみようと思いたち、冷蔵庫に何が入っていたかをまず思い出し、そしてそれらを使ってどんな料理が作れるかをあれこれと考え始めた。
彼が冷蔵庫の不足分を買うためにスーパーに立ち寄ったのは三時過ぎだった。車を降りると彼は「あら、もうお帰りなんですか?」「いやね、友人が出社しちゃって、結局今日は中止になっちゃったんだ。それで夕食の買い物でもしてから帰ろうと思って」「御自分でお料理なさるのですか」などなど、勝手に小夜子との会話を作りだし・一人満足しながら店に入っていった。小夜子と話せるのなら内容は何でもかまわなかった・・。
「サヨちゃんなら、さっき気分が悪いとかで早退しましたよ」何げなく、見当たらない小夜子のことを聞いた彼は、アルバイトの店員にそう言われ、はて、さっきはそうは見えなかったのに、と不思議がりながらも野菜や肉など必要なものを選び、買い物カゴに一つ一つ入れていった。
ちょうどその頃、妻は帰宅したところで、待ち受けていた・・妻の正体を見破った侵入者と対峙していた。
彼がマンションの駐車場に車を入れ、四階でエレベータを降り、部屋のドアに手をかけたときには、すでに二人の決着はついていた。
ひっくりかえった下駄箱を見て初めて、何か普段とはまるで違ったことが起きていると感じた彼が廊下をおそるおそる歩いた後に見た風景は、彼の右手に下がっていた買い物袋と、左手に持った車と部屋のキーを、出るときには小ぎれいに整理されていたはずなのに今ではすっかり荒れている部屋の床に落とすのに、二秒もかけさせなかった。そして彼の妻の貴子は、ブラウン管の砕けたテレビや、真っ二つに割れたテーブル、粉々に砕け散ってそこらじゅうに散乱している電球や花瓶、食器など部屋中のありとあらゆるものの破片を見守るように、部屋の隅の壁に低くよりかかっていた。しかし、そのいつもはしっかりと束ねられていた黒髪は乱れ、整った顔は歪み、まるで小さな子供の描いた絵をさらに醜くデフォルメさせたようだった。それだけではなかった。とてもそこまでは曲がらないというほどまでに不自然な方向に肩から曲げられた右腕が宙をあてもなく漂い、膝の上あたりから右足のもげかかってしまっている下半身が、上半身から三十センチほど離れたところで目的を見失ったままのたくっていた。出血は、ほとんどと言っていいほど無かった。最後の力を振り絞って、「貴子」と呼ばれていた物体がしたことは、まだ稼働する頭脳から同胞に向けて、自らの最期の状況と、敵の姿を送信することだった。しかしその完了を許すことなく、このごくごく小さな戦いに勝利した者が、素早く敗者の頭を、その白くて細い腕で、この星の住人の何倍もあろうかという力で、だがしかし可能な限り外部に音を漏らさぬようにして、叩き割った。
「サ、サヨちゃん・・・」
そこで初めて声を出すことが出来た野口に小夜子−今さらこの女性に「小夜子」などという名前を使っても仕方無いのだが−は、いつにも増してさらに冷徹さまでも備えた、この物体本来の無表情な顔を向けた。
「い、いったいキミは・・・」
恐れと驚愕ですでに破裂してしまいそうな精神状態の愚かな一人の男を見ながら「小夜子」がその頭脳で処理していたことは、倒した敵対勢力の、彼女と同じく「先発隊」の残骸の後始末の方法だった。とにかく、この星の住人に対して侵略を企てる存在の証拠を残すわけにはいかなかった。「小夜子」はその問題を、「貴子」が帰って来る前に忍び込んだときに持って来たバッグを、そこらじゅうに散らばった家具の中から瞬時にして捜しあてるとそれを拾い、中に入っている「主人からの支給品」である液体をほんの数滴たらして燃焼させることで解決した。そうすれば、この星には存在するはずの無い物質の証拠は跡形も無く燃え尽きてしまうはずだった。白熱光を発して原形を失いつつある「貴子」を見つめる「小夜子」には次の問題、つまりこの現実を目撃してしまった野口をどうするかが残されていた。まさか「小夜子」がこの星を奪うために別の星系から送られた「先発隊」だということをこの男に教えてやる必要はどこにも無かったが、このまま生かしておくわけにもいかないということを一瞬のうちに判断し、「小夜子」は彼を殺した。
「小夜子」は、この部屋に自分の存在した証拠が無いことを確認し終えるとすぐに、誰にも見られずに、まさしく全く無駄の無い機敏な動作でマンションを出た。後から訪れる「主人」たちの侵略の成功のために活動する存在のうちの一個体である「小夜子」には、この社会に潜むために使う以外感情表現などというものは無いため、今回の勝利に対して何ら満足感を覚えることは無く、ただ残りの敵対勢力を捜し求めるための次の潜伏地へ向けて出発するだけだった。
翌朝、出勤するはずの人間のうち、社員とパートタイムの従業員それぞれ一人ずつがなかなか現れないので、同僚たちは品物を棚に並べながら密かに「あの二人、何かあったんじゃないか」「きっとそうだよ、昨日の午前中あの娘、野口さんの車に乗って来たのを誰かが見たって言ってたんだって」「それにあの娘、すぐに早退しちゃったし」「ほんと?」などと好奇心丸出しで喋っていた。
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